ハワードが子供の頃、荒くれ者やならず者の支配下にあったため、イグナス島の住人の心は荒んでいた。
だが、突然やって来たクレマン海賊団が彼らを一掃し、人々の心に明るさを取り戻してくれたのだ。
「タイタスとアーロン。二人の名前は今でも忘れません。彼らの指揮するクレマン海賊団は、本当の意味で民衆の味方でしたから」
そこまで話すと、ハワードは檻から出てカギをかけた。
「昔も裁判制度があれば良かったのに…。あったらきっと、今でもタイタスは生きていたでしょう」
悔やむような表情を見せた後、悲しげに微笑む。
「なるべくならアナタ方にも、死んでほしくないです」
そう言い残し、彼は階段を上がって行った。
船底に静寂が訪れる。
ヒースコートは傷の痛みに耐えるように、きつく目を閉じた。



