海賊王子ヒースコート



 真っ暗闇に支配されたヒースコートの意識が回復したのは、揺り動かされる感覚と激痛によるものだった。

「痛っ…!!」

目覚めの一番に痛みを訴えたヒースコート。

すると、傍にいた誰かに怒られた。

「あっ、動かないで下さい!上手くできないでしょう!」

しっかりと両目を開け、ゆっくりと辺りを見回す。

「ここは…?」

周囲には鉄格子。

そして、両手には手錠。


(そうだ…。俺は、撃たれて……海軍に捕まったのか)


簡易的なつくりの狭い檻は、さながら人間用の鳥カゴ。

横を見ればもう一つの檻にダリウスの姿が。

「船、長…!」

呼びかけるとダリウスは力無く呻いた。

「ほら、こっち向いて!まだ終わってないんですよ」

目の前にいる赤茶の髪の軍人がヒースコートの服を引き上げ、脇腹の傷に包帯を巻いていく。