海賊王子ヒースコート


「待て!!」

後をつけて来たハワード中尉が追いついた。

「げっ、すまない!敵を増やした!」

「ハァ……全く。勘弁して下さいよ」

やれやれと肩をすくめるも、ランバートは口角を上げる。

「ま、楽しみますか」

ハワード目掛けて銃をぶっ放そうと撃鉄に指をかけた瞬間――。


「あ!!キャンディス!?」


ハワードが叫んだ。

自分の上司リチャードにムチを振るうキャンディスを見て呆然と立ちすくむ。

「おや?知り合いですか?」

首を傾げるランバート。

キャンディスは後方支援がもっぱらで、海軍との戦闘にはあまり真正面から挑んだことがない。

ゆえに顔見知りの軍人などいないと思っていたが、どうやら間違いだったようだ。

ハワードの顔を確認してキャンディスも上擦った声を上げた。


「に、兄さん!!」