海賊王子ヒースコート


「するわけないでしょ!!時間が惜しいわ!!」

言うが早いか、ヴィンセントは弾が飛んできた方角へ銃を向け、一発お見舞いした。

それは誰を傷つけるでもなく船のタラップに当たる。

「タラップの傍ね。狙撃してきた奴が隠れてるわ」

再び銃を構えるヴィンセント。

「ハワード、船に乗り込むから援護なさい!」

「わかりました」

提督は止められない。

悟ったハワード中尉も銃を握り締め、船へ足を進める。

ベスとペスも唸りながら提督について来た。


全神経を海賊船へと集中させる二人。


いつ銃撃戦が始まるか緊張しながら距離を狭めていると…。


「オラオラ!!背中ががら空きだぜ!!」


不意に近距離から大声が聞こえた。

一斉に振り返れば、頬に傷のある金髪の男――若獅子のレイバンが剣を振り上げた状態でニヤリと笑んでいた。