派手な音を立ててテーブルがなぎ倒された。
吹っ飛んだテーブルに突っ伏していたファビウスは支えがなくなり体勢を崩す。
すると彼の身体は電気ショックでも浴びたようにビクリと反応した。
「んあ!?…あれ?僕はいったい、何して」
やっと意識が覚醒したようだ。
ランバートは無言で剣をおさめ、眼鏡をクイッと押し上げた。
「ふぁあ~、朝って……早過ぎよ。まだ七時じゃない」
壁の時計を見て眠そうに欠伸をするキャンディス。
陸にいる時の彼らの起床時間はたいてい九時か十時だ。
「何言ってるんですか。たまには早起きも気持ち良いですよ」
そう言って、ランバートが店の出入口の扉を開けた瞬間――。
「うおおおおっ!!!!」
「ガウッガウッ!!」
「グワウッ!!」
見知った金髪と、二つ頭の犬が猛スピードで目の前のメインストリートを通り過ぎていった。



