海賊王子ヒースコート



 一方、酒場「黒ヒゲ」で朝まで飲んでいたキャンディスやエリオット、その他クレマン海賊団のメンバー。

彼らの大半は酒場のテーブルに突っ伏し、爆睡していた。

「全く、だらし無い人達ですね。もう朝ですよ」

一人だけスッキリした顔をしているランバートが仲間を叩き起こしつつ、カウンターに酒代を置く。

彼はキャンディス、エリオットを揺り起こしてから、未だ大いびきをかいているファビウスの頭を小突いた。

「起きて下さい、ファビウス坊ちゃま」

「んん~……むにゃむにゃ」

しまりのない寝顔で嫌だと言うように寝返りを打つ坊ちゃんに、ランバートはイラッときた。

そう、この坊ちゃんは寝起きが悪いからタチが悪い。


「起きなさい、ファビウス」


しかし呼びかけも虚しく、グースカ寝続けるファビウス。

彼はスラリと腰の真剣を抜いた。


「起きなさいと、言っているでしょう!!!!!!」