海賊王子ヒースコート



 完全に太陽が隠れ、夜空が星明かりのライトに彩られる。

寄せては返す波の音が耳に心地好い。

甲板で酒ビンを片手に飲んでいたヒースコートは隣にいる恋人に囁いた。

「アイリーン、下に行ってもう休め。俺は見張りだから今夜は甲板にいる」

「ですが…」

「いいから。俺に気をつかうことはない」

そして彼女の頬に唇を寄せ――。


「スト~ップ!!」


甘い雰囲気に小さな邪魔が入った。

「お姉ちゃんに近寄らないで!ヘンタイ!」

「お前っ、誰がヘンタイだ!」

ツンとそっぽを向いてアイリーンの腕にしがみつくローズマリー。

さっきから、この小さなレディーは宣言通りアイリーンとの仲をとことん邪魔してくる。

ずっと傍にいて見張っているからキスの一つもできやしない。