海賊王子ヒースコート


ダリウスが好きだと大っぴらにアピールしているキャンディスは、不機嫌全開でダリウスとは反対の方向に歩き出した。

「追わなくていいの?」

余計なお世話かもしれないが、恐る恐る聞いてみるアイリーン。

「追いかけたって、どうせ相手してくれないもの。虚しいだけ」

キャンディスはピタリと立ち止まり、俯いた。

「ダリウスはね、後腐れなく抱ける女がいいのよ。だから娼館に行くの」

彼は誰も愛していない。

自分でさえも彼の特別にはなれない。

そう心の中で言い聞かせ、キャンディスは溜息を吐き出した。

「わかってはいるんだけどね…。ああ~!!やっぱムシャクシャするー!!」

彼女はヒステリックに髪を掻きむしってから、ビシッとレイバンに指を突き付けた。

「こうなったら飲むわよ!レイバン付き合って!」