「ところで、こんなめでたい日に申し訳ないですが…少し仕事の話をいいですか?」
急にリチャードの話し方が真面目になる。
仕事モードの彼だ。
「なんだ?」
ギルバートの声も鋭さを増した。
「昨夜、本土近海でクレマン海賊団らしき船が目撃されたそうです」
「旗印は、髑髏の天使。間違いないな?」
「はい」
クレマン海賊団。
昔からセルディスタ王国で好き勝手に活動している海軍の永遠の敵だ。
「奴らめ…。こんな時に…」
「どうしますか?」
「……何事もなければ泳がせておけ。念のため各港の警戒を怠るな。明日から本格的捜索を始める」
(奴らが、近くにいる…)
一抹の不安を抱え、ギルバートは婚約者の待つクオーツ島に降り立った。



