ようするに、無一文。
おまけに世間知らずのおバカさん。
こんな弟じゃ一人では一生本国へ帰れないだろうとヒースコートは改めて思った。
いや、それよりも。
「………お前、よく生きてたな」
「エッヘン!褒めて褒めて!もっと褒めて!」
「褒めてない。呆れてるんだ」
また一つ盛大な溜息をついてからヒースコートはジョッキで地酒を飲んでいるダリウスに向き直った。
「船長、お願いがあります」
「………まさか、そいつを俺様の船に乗っけろとか言わねぇよな?」
「………お願いします」
いつもの高飛車な態度はどこへやら、弟のためにプライドを捨て頭を下げる砲術長。
ダリウス船長はしばし考えた。
「……まあ、そんなに頼むんなら条件次第で許可してやってもいいぜ?」
「条件?」



