アイリーンも呆然として隣にいるヒースコートを見上げる。
と、その時。
「あ、兄上ぇえ!!やっと見つけたぁ~!!」
ファビウスなるその男がヒースコートに向かって「兄上」と叫んだ。
感極まった表情で。
(え?兄、上…?ヒースさんが!?)
頭が痛いといった表情で額を押さえつつ、ハァと溜息を吐き出すヒースコート。
彼はツカツカとカウンターに近寄ると黒ヒゲのマスターに謝罪した。
「すまない、マスター。このバカの分は俺が払う。いくらだ?」
「え~と、5438ディルだね」
「高っ!一人分だろう?どんだけ食ったんだ…」
ぶつぶつ文句を言いながらヒースコートは貴重品入れから金貨を一枚取り出し、カウンターに置いた。
「1レーエ出す。釣りはいいから、俺達にも何か作ってくれ。腹が減った」



