「教会、見えてきませんね」

「ここからまだ距離があるからな」

ダリウスを先頭にキャンディス、レイバンと続く。

真ん中に子供達を挟んでアイリーンとヒースコートが後ろを歩く。

他の乗組員、エリオットやロディは買い出しへ、ランバートは船の見張り役を任されているためここにはいない。


「よう!ダリウス!半年ぶりかい?元気にやってるか?」

「今回も店に寄ってっておくれよ!お前さん方が来ると繁盛するんでね」


ダリウスが歩く度、周囲から好意的な声がかかる。

町の人々はダリウスが海賊と知っていて歓迎しているのだろうか。

アイリーンは不思議に思った。

「ヒースさん、ダリウスさんは町の人達と親しいのですか?」

「ああ。ベルナンクは船長の故郷みたいなものだからな」