爽やかな春風が開け放たれた窓から、室内へと入ってくる。 清潔感あふれる白い部屋の主は、少し癖のある長い髪をくしでとかしながら歌を歌っていた。 「人の子として生まれ…愛を知った」 そよ風が、歌う少女の金髪を優しく撫でる。 「生きる喜びを知り…悲しみを知った」 ゆったりとした短調のメロディーを口ずさみ、手を動かす。 「アイリーン、またその歌を?」 気持ち良く歌っていた少女、アイリーンは兄の声に歌をやめた。