海賊王子ヒースコート




 地震のように大きく激しく船が揺れた。

宝物室にいたアイリーンとキャンディスにも、その衝撃は押し寄せてくる。

「きゃあ!!」

「うわっ!?まさか撃たれた!?」

「撃たれた、とは…?」

揺れに堪えつつ恐々と質問するアイリーンに、キャンディスはあっさりと言ってみせた。


「攻撃されたのよ。この船が」


「まさか、海軍……お兄様かしら…?」

「わかんないけど、アンタの婚約者とか兄さんだったら撃たないんじゃない?大事なお嬢様が乗ってんのわかってるんだから」

「そうかしら…」

「ま、どちらにせよアンタはここにいなさい。ホエホエしたアンタなんて、外に出たら一瞬で海に放り出されるわよ」


それくらい凄まじい揺れだ。

アイリーンはキャンディスの忠告に素直に頷いた。