海賊王子ヒースコート


「レイバン!左舷の弾詰め手伝え!時間がない!」

「い、や、だ。オレは飛び道具より斬るの専門だ」

ヒースコートの応援要請を無視して手入れを続ける甲板長に、ダリウスが刺すような一言を送った。

「行ってこい、レイバン」

「え~!?」

「俺様命令だ。もし砲撃に失敗したらお前に鞭打ち百っ…」

「イッテキマス!!」


船長のお仕置きは厳しすぎる。

レイバンは剣を投げ出して弾詰め作業に加わった。






「そろそろ時間だ」

砂が全て落ちるまで後わずか。

ヒースコートは甲板に出て敵船を確認した。


(だいぶ近づいたな)


双眼鏡で目標を観察していると、敵船の大砲発射口が開いた。

「なっ!?」

こちらに向けられている大砲。

その数、十以上。

「まずい!船長!!先手を取られます!」

「ああ!わかってる!来るぞ!!ランバート無傷で逃げ切れ!!」