「ボリスです」
ランバートの言葉に、ロディとヒースコートは安堵した。
「なんだ~、ボリスか」
「奴らなら問題ないな」
北方の海の問題児として有名なボリス海賊団。
クレマン海賊団にとって彼らは良きライバルであり同士のようなものだ。
海で出会っても彼らとは余程のことがない限り剣を交えない。
「挨拶代わりに一発ぶっ放しときますか?」
ランバートが眼鏡をキラーンと光らせて冗談めかしく笑う。
「やめろ!弾が勿体ない!」
ヒースコートは慌てて大砲を背に庇った。
と、その時。
「大変です!!ボリスの後ろに!艦隊が!!」
別の乗組員が凄まじい慌てっぷりで駆け降りてきた。
「艦隊!?まさかボリスの連中、海軍に追われてるのか!?」
ヒースコートは掃除用具を放り出し、甲板へと急いだ。



