海賊王子ヒースコート




 「ハックション…!」

アイリーン達がせっせと宝石を磨いている時、ヒースコートは一人で自分の仕事場にいた。

「全く、なんでくしゃみなんか…。誰か噂話でもしてるのか?」


丁度キャンディスがヒースコートの話題を持ち出したのがこの頃だったのだが、もちろん彼がそんなことを知るよしもない。

あまり深く考えず、作業を再開させた。


「それにしても、何だ?この汚さは…。この前使ってから掃除し忘れたな?」


ヒースコートはクレマン海賊団の中で砲術長の役目を任されている。

砲術長とは、戦闘中、大砲に関する指示を出す者のことだ。

ざっくり言うならば、大砲係のリーダー。

ゆえに彼は今、自分が責任を持つ大砲の掃除をしている。