海賊王子ヒースコート



「あの、キャンディスさん。昨日はありがとうございました」

「へ?」

作業中の唐突なアイリーンの礼に、キャンディスは何のことかと考えた。


「私が襲われそうになった時、止めに入って下さいましたよね?」

「ああ、甲板でのあれね。気にしないで。あれは…アンタのために言ったんじゃないから」


「では…?」


「自分のためよ。アタシはダリウスが好きだから…他の女と目の前でいちゃつかれるのが嫌なの。ようはアンタに嫉妬したってこと。わかる?」

だから礼なんて言われる筋合いはない!ときっぱり言う彼女に、アイリーンはポカーンと口を開けた。


「嫉、妬…ですか?」

「そうよ。……何?そのキラキラお目々」

アイリーンの目は驚きから羨望の眼差しに変わっていた。

「嫉妬…良いですね。羨ましいです」