真面目に考えたアイリーンの意見をキャンディスはさらりと受け流した。
「いいのいいの。お嬢様なアンタの方が、うちの連中に手伝ってもらうより安心だから」
「安心?」
「そ。アンタはこんなちっちゃい宝石なんて見慣れてるから欲を出さないだろうけど…下っ端の奴らとかは、このちっこいの一つ盗めば酒何杯分とか考えちゃうわけよ」
仲間内でも盗みは起こりうること。
クレマン海賊団には「信用のない奴は宝物室に入れない」という掟がある。
この「信用」は「船長が認めた者」という意味だ。
「ダリウスに許可も貰ったし、アンタは無害そうだからいいの。ほら、わかったら手を動かす…!」
「は、はい!」
納得した所でアイリーンは宝石磨きに取り掛かった。



