キーンコーン………………… 「あれっ、今の何時のチャイムだろ?」 「知らね」 「俺、見てくんね!!待ってて」 さっきまで寝転んでいたケイが、飛び起きて走ってゆく。 「お前、練習しなきゃいけねぇ曲とか、 あったんじゃねぇの」 「ううん。ないよ。 ここんとこ、演奏の依頼とかもないし。 コンクールに出れるような人数じゃないし」