「そう? ………………ちょ、あれ!!」 梨沙が驚いた顔をする。 狼くんを見つけちゃったみたいだ。 「真依、なんでもないって……! なんでもなくないでしょ!?」 「……も、もうやだなぁ。 梨沙ったらあせりすぎーっ。 あれくらい、普通だよ普通! だって狼くんだよー?」 「でもっ………………!!!」 「だーいじょうぶだいじょうぶ! 今日も、一緒に帰る約束だから、 そのときにお灸すえとくよっ」 笑って、ごまかしてみる。 お灸すえるなんて、できないくせに。