「…さえちゃん、ちょっと変わったね」

「へ?そうかな?」

「うん…前よりハッキリしてきている気がするんだけど…」

「…気がするどころじゃない、別物だろ」

「え!?!」

どこからともなく、男の声が割り込んで来た。

二人が驚いて辺りを見回していると、声がした方…二人の少し前の空間が歪み、黒い服装の男が現れた。

良く見ると、この場に似つかわしくない、つなぎのライダースーツを身にまとい、上から下まで黒一色で決めている。

年の頃は二十歳前後だろうか…
少し長めの前髪を手でかき上げると、その男は毒づいた。

「…全く、どうしてくれるんだ。予定が完全に狂いまくっている…おまけに、ここまで完全に変質してくれるとは…いい迷惑だ…」

二人は言われた言葉の意味が、理解出来ない…

「あの…失礼ですが、どなたでしょうか?」

「…日下部ときわ…千歳さつきを守護する者だ…」