私は廊下に出してある椅子に座っていた
「浬士」
由が廊下を歩いてくる所だった
上下、黒のスーツだ
「何でスーツ?」
「浬士の担任に会うんだ
きちんとしなきゃ、だろ?」
「女に見られてますけど?」
他のクラスの生徒が由を見ている
「あれ?嫉妬?」
由はニヤリと笑い
私の隣の椅子に座り
椅子を私の方に近付け私の腰を抱いた
「此処でも、くっつかなくて良いんじゃない?」
「良いんだよ」
暫くして教室の扉が開き
クラスの子とその親らしきの人と、その後ろから先生が出てきた
クラスの子は私に気付いた
私は笑みを作り手を振った
その子も笑顔で振り返し親と帰っていった
「お待たせしました
どうぞ、お入り下さい」
先生は私の腰に回った手を一瞬、見て言い教室に入っていった
「おい浬士」
「何?」