私は身を乗り出し由のサングラスを外した
「どうした?」
少し驚いた顔をして訊いた
「顔、見たかったから」
由は優しく笑い私の頬にキスを落とした
私は微笑み身を引きシートベルトを締めた
暫く車を走らせマンションに着いた
「歩けるか?」
由は助手席の扉を開け訊いた
「何とか」
私は車を降りた
すかさず由は私の腰を支えた
部屋に着いた後に蔵智が訪れ腕の治療を始めた
「中々、深いですね」
「傷、残るか?」
由は蔵智にそう尋ねた
「そうですね、この位の傷になると完治するのに時間は掛かりますし跡も残ると思います
でも、目立つ程の跡にはなりませんので」
「そうか」
由はそれ以外、聞く事は無かった

