いつも行くスーパー、ママチャリを定位置に停める。
髪はドライヤーかけてないし、顔もスッピンに近い。
履き古した量販店のジーンズに毛玉だらけのセーター。汚いスニーカー。ちなみに自転車も汚い。
それが普段の姿。
オシャレしてるつもり。自分的には。
「まみちゃん?」
急に声を掛けられて、近所の人かと思う。
振り向くと、素敵な男性がいた。
すぐにわかった。すぐに思い出した。
「柳田さん?わあ、久しぶりです!」
ピシッとスーツを着て、見るからに仕事も出来そうな雰囲気を出している。
旦那と付き合う前にちょっと好きだった人。
挨拶だけして、別れた。
別れた後自分の姿が店内の鏡に映り愕然とする。
柳田さんは前と変わってないのに、あたしの変わりようったら、ひどい。
思いしらされた。
まずは、贅肉たちと縁を切ろう。
でも夕飯は普通に食べた。

