東京の雪

「わぁ…」
小さな歓声を上げてしまった。
その転校生は、正に大和撫子と言うような感じで、とても綺麗だった。

「北海道から来ました。椎名 咲良(しいな さら)です。宜しくお願いします。」

「咲良ちゃんは、薫さんの後ろの席ね!薫さん、立って?」
「はい!」
「あの子の後ろよ?」
「はい。先生」

足音も無く、此方にやって来る。私の横を通った時、微かに百合の香りがした。