ようやく解放されると、自然と足は動きだす。


鼓動はどきどきと大きく音を立て、手のひらには汗がにじむ。


気付けば、目の前には愛しいキミの姿。


でも口から出たのは、照れ隠しから思ってもいない言葉だった。



「覗いてただろ?」



そう言う俺に、キミは頬を真っ赤に染めながら



「ち、違いますっ!待ってただけです!」



ドキッ……とした。


この言葉に期待している俺がいた。


どきどきしながら、「俺のことを待っててくれたの?」と自惚れた発言をした。