ももの天然水

男が目の前に持ってきたのは、紛れもなく。

ナイフだった。

ゾッと寒気が走った。

「じっとしててね。」

顔を触っていた男の手が、どんどん下にさがっていく。

腰を触られた時、一瞬動いてしまった。

「うっ!…。」

「う、動くなって言っただろ!」

「誰か…」

「お、俺は悪くない!」

助けて…

お腹が温かい。

これ、血?

自分の手は、赤く染まっていた。

感覚がない。

気が遠くなる。

うち、死ぬのかな?

このまま、死んじゃうの?

誰か、助けて……。