声にのせて


「でねー、二人だから言うけど」

フォークを握りながら美詞がゴクッと唾を飲む

「あたし、好きな人いる」

珍しく美詞が真っ赤になった

「夏川くん?」

えみが真剣な顔をして尋ねる

美詞はその言葉に頷いた

汐里はヘニャッと笑って美詞の手を握る

「そっか、ありがとう 話してくれて

がんばろ?」

驚いたように、

それでいて嬉しそうに美詞が笑う

「うんっ、 がんばる!」