声にのせて


「なんか夏川くんかわいそーになってきた」

「俺も思う、夏…」

「え、なんで? 夏川くんも嬉しそうだよ?」

汐里の言う通りだった

美詞と話すのは

照れながらも嬉しそうな夏川くん

「フフ、そーだね じゃあたしらはいこうか」

えみが汐里の手を引く

「だから、汐里は俺んだって」

えみと春斗くんがいつものように喧嘩を始める

「まただ、困ったな」

二人に片手ずつ引かれ教室へ向かった