声にのせて


すると彼女は恥ずかしそうに笑って

「だけどそのとき知らなかったんですよね…

慌てた声と差し出された手が

夏川さんだったなんて」

だけど気付いたんです、

そう続ける声は

「休み時間に1組から聞こえる

サッカーの話を大きな声で話す人が」

そして彼女の目が俺を見つめた



「…軽いって噂のあなただったんです」