声にのせて


汐里がえみの優しい手に

少し元気をもらったような顔をする

「えみ、あたし頑張って聞いてくるね」

立ち上がる汐里を引き寄せ

えみがすねる

「悔しい、あんな男のどこがいいんだー

えみのほうが汐里のことわかってんぞー

えみのほうが汐里、好きだし。

…よし、がんばれ」

握った手を離すとサッカー馬鹿を指差した

ヘヘッ、ありがとう。行ってくる。

またかわいいなあ、癒されたわ

汐里は春斗を追った