声にのせて


「な、なんて。嫌ですよね」

恥ずかしそうに

照れを隠すように傘を広げた

取っ手を押さえる手を慌てて握ったんだ

彼女の優しさを、逃がしたくなくて

「えっ、あ。あの!」

手をとっさに引いた

ークスクス

驚いて、笑う彼女をみた

「あー、おっかしー」

ー????

「な、なにがっ」

自分のとっさにとった行動にも

いきなり笑いだす彼女にも

こんなに短時間で

こんなに何度も驚かされることは

あるのだろうか…


それくらい驚いた