「いい?」

かすれたような低い声が色っぽくて

どきどきする汐里は言葉につまる

「人いるし!!」

「傘で見えないよ」

「雨降ってるし」

「関係ないよ」



関係なかった



わかっていたけど

それくらいしか思い付く言葉が出なくて

「いい?」

クスッと笑うその声にとどめを刺された