声にのせて


「汚れるよ?」

なんていっても手放す気はなさそうで

へーきっ、

と春斗くんの真似をした

「どうだった、俺」

「凄かったね、あのスルーパス!」

そうじゃなくて、

照れたように首に手を当てた

「かっこよかったよ」

「本当っ、」

子供のような嬉しそうな笑顔にきゅんときた

「春、いつまでもイチャイチャしてねーで

そろそろ着替えろー!!」

部員の声がグラウンドに響いた