それよりも悩むべき壁に直面している

「汐里、土曜日さー。汐里?」

ーーーッ

この声で汐里と呼ばれることに慣れない

「ねえ、きいてんの」

佐竹くんが、いや春斗くんが

顔を覗きこむ

耳まで真っ赤になった汐里の顔を見ると

満足そうに

「可愛い」

と頭を撫で春斗くんは席に戻った


「ごちそうさま」

隣の席で嬉しそうにこの流れを見守るえみ

「えーみー」

「佐竹くんって言うのが悔しいけど

可愛い汐里見せてくれるから許す」

「えーみー」

穴があったら入りたい気分だった