ー 『乗り越えられない試練は与えない』
椎奈が通っている学校は私立のキリスト教学校。毎朝、15分程度ながら礼拝が行われている。
その礼拝の中で聖書を読む時間があり、いつだったかその時に見つけた言葉。
神様がそう言っているとされているのだから本当のことなのだろう。・・・・・・・・しかし、実際はどうだろうか。
乗り越えられないものがあり、それに耐えられなくなったから『自殺』するのではないだろうか。
未だにたえることがない自殺の事件。社会が豊かになるにつれ増えている気がする。
神が言ったことが正しいのであれば、自ら命を絶つ者はいないのではないだろうか。
「ただその人に試練を乗り越えようとする力がなかっただけ」それだけで、すまされてしまうのだろうか。
神は一体何を考えて自分達のことを見ているのだろう。
普段、何気なく聞いていた礼拝が今では、疑問だらけだった。
「冷たい目で見られてる気がする」、「1人が怖い」、「私と一緒にいて」・・・・・・こんなことを思っている人達が毎日いることを神様はご存知なのだろうか。
毎日毎日毎日毎日、負の感情と戦い続けている。でもそれはいずれか解放される時が来るのだろう。
しかし、その時が来なかったら・・・・・・?何でもマイナスに捉えてしまう。
どうしたらいい?、胸がモヤモヤする、吐き出したい、寂しい何をしたらいいのか分からない、押しつぶされそう、苛々する、誰の声も聞きたくない、1人にしてほしい、存在を消して、なかったことにしてしまいたい・・・・・・
寂しいと思うのに1人にしてほしいと思う。
悲しいのに何かに苛ついている。
何か言わなきゃって思うのに何もしたくないって思う。
存在が嫌って思うのに私を見てって思う。
矛盾だらけの言葉が胸の中でグルグル渦巻いている。
「椎奈ーっ、ご飯できたわよ〜!」
「・・・・・・、は、はーい。今行く!!」
ふいに下の階から声が聞こえた。その声で我にかえる。
椎奈は自分の感情を飲み込んで、椅子から立ち上がり部屋を出た。
椎奈が出て行ったことで、部屋はほんの少し明るくなった気がした。ー
ー 「おい、葵。いい加減パソコンやるのやめな。何時間やってると思ってんだ?」
「ああ?・・・・・・ああ、もうこんな時間になっとんたんか。おん、もうやめるわ。ちょっと、調べたいことがあってな。」
「また漫画のこと?締め切り間近なんだろ?どうすんだよ・・・・・・。」
「せやかて、読者に下手な絵は見せられへんやろ?ちょっと、どう描けば分からんかったもんがあったから調べてただけや。もう分かったし、すぐ終わる。」
「別にあんたの絵、下手の分類に入らなくね?一応、連載続いてるんだし・・・・・・あ。もう、夕飯出来てるって。母さん呼んでたよ?」
「ああ、分かった。まあ、そりゃあアニキより上手いってことくらい自覚してるよ?」
「煩い。絵が下手で何が悪い。あと、アニキって呼ぶな。呼ぶならアネキにしろ。何で、男になるんだよ・・・・・・。」
「だって、男口調やし、仕草だって男みたいやし、制服以外でスカートはいてる所なんて見た事ないし・・・・・・昔からの癖やろ?」
「小さい頃、本気でお兄ちゃんって思ってたもんな?お前は・・・・・・。」
「2〜3歳くらいのことやろ?あれは間違えて呼んでしまっただけや。さ、ご飯ご飯〜俺、腹へってん!」
そう言い、メガネを掛け直した少年・葵は階段を降りていった。
後に取り残された姉はまだ電源が消されてないパソコンの画面を覗き込む。
「まさか、今人気の漫画の作者が弟だなんてな・・・・・・。」
1人呟く。その呟きはもちろん誰にも届かなかった。
「アニキ〜おかず全部食べてまうぞー!」
ふと、下から先程までここにいた弟の声が聞こえてきた。そこで姉はハッとした顔になる。
「ふざけんな!!あたしが呼びに来てあげたのに何で、おかずを取られなきゃならないんだ!あと、アネキって呼べって言ってんだろうが!!!」
そう叫んで一気に下まで降りていく。1階からは複数の笑い声が聞こえてきた。ー
椎奈が通っている学校は私立のキリスト教学校。毎朝、15分程度ながら礼拝が行われている。
その礼拝の中で聖書を読む時間があり、いつだったかその時に見つけた言葉。
神様がそう言っているとされているのだから本当のことなのだろう。・・・・・・・・しかし、実際はどうだろうか。
乗り越えられないものがあり、それに耐えられなくなったから『自殺』するのではないだろうか。
未だにたえることがない自殺の事件。社会が豊かになるにつれ増えている気がする。
神が言ったことが正しいのであれば、自ら命を絶つ者はいないのではないだろうか。
「ただその人に試練を乗り越えようとする力がなかっただけ」それだけで、すまされてしまうのだろうか。
神は一体何を考えて自分達のことを見ているのだろう。
普段、何気なく聞いていた礼拝が今では、疑問だらけだった。
「冷たい目で見られてる気がする」、「1人が怖い」、「私と一緒にいて」・・・・・・こんなことを思っている人達が毎日いることを神様はご存知なのだろうか。
毎日毎日毎日毎日、負の感情と戦い続けている。でもそれはいずれか解放される時が来るのだろう。
しかし、その時が来なかったら・・・・・・?何でもマイナスに捉えてしまう。
どうしたらいい?、胸がモヤモヤする、吐き出したい、寂しい何をしたらいいのか分からない、押しつぶされそう、苛々する、誰の声も聞きたくない、1人にしてほしい、存在を消して、なかったことにしてしまいたい・・・・・・
寂しいと思うのに1人にしてほしいと思う。
悲しいのに何かに苛ついている。
何か言わなきゃって思うのに何もしたくないって思う。
存在が嫌って思うのに私を見てって思う。
矛盾だらけの言葉が胸の中でグルグル渦巻いている。
「椎奈ーっ、ご飯できたわよ〜!」
「・・・・・・、は、はーい。今行く!!」
ふいに下の階から声が聞こえた。その声で我にかえる。
椎奈は自分の感情を飲み込んで、椅子から立ち上がり部屋を出た。
椎奈が出て行ったことで、部屋はほんの少し明るくなった気がした。ー
ー 「おい、葵。いい加減パソコンやるのやめな。何時間やってると思ってんだ?」
「ああ?・・・・・・ああ、もうこんな時間になっとんたんか。おん、もうやめるわ。ちょっと、調べたいことがあってな。」
「また漫画のこと?締め切り間近なんだろ?どうすんだよ・・・・・・。」
「せやかて、読者に下手な絵は見せられへんやろ?ちょっと、どう描けば分からんかったもんがあったから調べてただけや。もう分かったし、すぐ終わる。」
「別にあんたの絵、下手の分類に入らなくね?一応、連載続いてるんだし・・・・・・あ。もう、夕飯出来てるって。母さん呼んでたよ?」
「ああ、分かった。まあ、そりゃあアニキより上手いってことくらい自覚してるよ?」
「煩い。絵が下手で何が悪い。あと、アニキって呼ぶな。呼ぶならアネキにしろ。何で、男になるんだよ・・・・・・。」
「だって、男口調やし、仕草だって男みたいやし、制服以外でスカートはいてる所なんて見た事ないし・・・・・・昔からの癖やろ?」
「小さい頃、本気でお兄ちゃんって思ってたもんな?お前は・・・・・・。」
「2〜3歳くらいのことやろ?あれは間違えて呼んでしまっただけや。さ、ご飯ご飯〜俺、腹へってん!」
そう言い、メガネを掛け直した少年・葵は階段を降りていった。
後に取り残された姉はまだ電源が消されてないパソコンの画面を覗き込む。
「まさか、今人気の漫画の作者が弟だなんてな・・・・・・。」
1人呟く。その呟きはもちろん誰にも届かなかった。
「アニキ〜おかず全部食べてまうぞー!」
ふと、下から先程までここにいた弟の声が聞こえてきた。そこで姉はハッとした顔になる。
「ふざけんな!!あたしが呼びに来てあげたのに何で、おかずを取られなきゃならないんだ!あと、アネキって呼べって言ってんだろうが!!!」
そう叫んで一気に下まで降りていく。1階からは複数の笑い声が聞こえてきた。ー

