それでも中々来ない真希。
もう俺……限界なんすけど。
気付けば泣きそうになってる俺。
だって、こんなに女子の皆さんに注目されたのなんて初めてなんだけど。
「……歩!?」
その時だった。
遠くから叫ぶような声が聞こえ、そっちを向くと真希が物凄い形相で走ってくるのが見える。
心底ホッとしたってーのは、こういうことを言うんだろーな。
「な、何してんの!?」
俺のそばまで来た真希の一言目は、愛未の言っていたような感じじゃなかったけど。
「……迎えに来た」
「はぁ!? 何で!?」
「何でって……そりゃ……」
何でだろう?
言葉の止まった俺に、真希は首を傾げた。
そして俺の腕を掴み
「ここ、目立つからこっち来て!」
そう言う。
「か、彼氏、だし?」
「は!? 何らしくないこと言ってんの?」
赤面して言う俺に、素っ頓狂な声を出す真希。
俺としては結構、頑張ったつもりなんすけど。
それは伝わってないらしく。
「だから! 合コンとか行かなくていいと思うんだけど」
ポツリと呟いた俺に向かって、真希は目を大きくさせた。
「それに俺より、いい男なんていない……と思うし」
このへんは語尾が弱くなる。

