うっわー……。
すっげぇ恥ずかしいんすけどっ。
ガヤガヤ煩く聞こえる声は、俺の高校とは違ってキーが高い。
むさ苦しい男の臭いなんて全くしない、ここは真希の通う女子高だったりする。
“彼氏のお迎えがあると恥ずかしいけど、嬉しかったりもすんのよねー”
昨日、愛未が言っていたことを俺なりに理解すると、だ。
こういうことなんじゃねーかって結論。
だけど、さっきから出て来る女子の皆さんに、やたら注目を浴びてるのは何故でしょう?
俺、何か変なのか?
ただ単に違う制服だから?
それとも俺……何か間違った?
真希、早く出て来い!
そしたら、もう一回ちゃんと謝るからっ。
そう思う俺の気持ちは虚しいくらいに叶わなくて。
いつまで経っても知らない女しか出て来ねぇ!!!
「あのー……」
「へ?」
しゃがみ込んだ俺の頭上から振ってきた声に顔をあげた。
「誰か待ってるんですか?」
「え、あ。はい。大橋真希って1年の子を」
「あぁ、真希。あ、もしかして彼氏さんですか?」
真希を知っているのか、その子は笑顔で俺に尋ねる。
「あー、はい。一応……」
今、おもいっきりヤバイ関係だけど、一応彼氏です。
なんて心の中で思いつつ返事をすると
「待ってて下さいね、すぐ呼んできます!」
その言葉が天使かと思った。

