「これだから、真希にも振られるのよ」
「な、何で知ってんだよ!?」
反射的に言い返したのが馬鹿だった。
俺の言葉を聞いた愛未はニヤリと笑い、
「やっぱり、ね」
そう呟く。
くっそー!
ハメられたっ。
「そんな馬鹿に教えておいてあげる。
彼氏のお迎えがあると恥ずかしいけど、嬉しかったりもすんのよねー」
「……何だ、それ」
「ま、馬鹿は馬鹿なりに考えなさいってこと」
そう言って、愛未は部屋を出て行ってしまった。
つーか、人のことを馬鹿、馬鹿言いやがって!
お前だって兄ちゃん馬鹿なくせにっ。
そう思いつつ、再び開いた携帯電話。
愛未に変な助言をされても掛け直すことすら出来ない俺。
確かに、疲れてるって事を理由にして真希の話なんてろくに聞いてなかったよな。
付き合ってから、ちゃんとしたデートとかしたことなかったよな。
つか!
手……とか繋いだこともなくね?
彼氏だとか偉そうなこと言ってるけど、俺って名ばかりってやつ!?
色々考えてみると、実は俺は最悪な男なんじゃないか……ってことに気がついた。
そんな俺に小言を言いながらも付き合ってくれてた真希って、実はめちゃくちゃ心が広いのかも……とも思う。
俺、まじ何してんの……。

