家を飛び出し、真希の家へと急ぐ。
だけど、真希は居なくて。
何度チャイムを鳴らしても応答はなく、携帯にかけても電源が入っていない。
俺、何してんだ……。
真希の行きそうなところもわかんなくて。
真希に連絡のつく友達も知らなくて。
いつも真希から俺に会いに来てたのを当たり前だと思い過ぎてたんだ。
どうすることも出来ない俺は、その場にしゃがみ込んで頭を抱えた。
だって、俺ここで待つ以外に、どうにも出来ねぇ……。
途中、何回も携帯にかけてみるけど、やっぱり真希は出ない。
陽が落ち、暗くなって来ても真希は帰って来ない。
何してんだよ、あいつ。
俺が約束を破ったくせに、帰って来ない真希にイライラし始めた時、足音が聞こえた。
「……歩?」
街頭に照らされた人影が俺に声をかける。
その声に顔をあげると、そこに居たのは真希で。
妙にお洒落した、呆然と立ち竦んだ真希だったんだ。
「お前、連絡つかなかったらどこ居るかわかんねーじゃん」
そう呟いた俺に
「……歩が悪いんでしょう? 約束破ったのはどっちよ!」
そう怒った声が飛んできた。
「それは……まじで、ごめん」
「もういいよ。歩なんて知らない。大嫌い!」
「ちょっと待てって」
俺の横を通り過ぎようとした真希の腕を掴んだ。
「言い訳かもしんねーけど。
つーか、言い訳だけど」
「言い訳なんていらないっ」
俺の話すら聞いてくれようともせず、掴んだ腕を必死に振り払おうとする。

