「ねぇ……」

「んぁ?」


シャーペンをカチカチと出しながら、俺の方を遠慮がちに見る。


「この間の試合でさ……告白されたって本当?」


この間の試合?

あー!
あの圧勝したやつかっ。

俺のゴールがスパーンと決まって、気持ちよかったんだよなぁ~♪


「……って、聞いてる?」

「へ? あぁ、告白? あー……されたっけかなぁ」


『良かったらお友達になって下さい』ってやつの事かな。


「で、何て返事したの?」

「返事? 友達なら、って言ったけど?」

「……ふーん」


そう呟くように返事をして、再び目線をプリントへと移した真希。


「なに~? 気になる、とか?」


茶化して言ったつもり。

だったんだけど、真希は真っ赤になって『べっ、別に!』と頬を膨らませた。


俺達は、付き合ってる訳じゃない。


ただ、小6の頃から何となく真希が変わり始めた。

愛未に突然“彼女宣言”とかし出して。

あの後、愛未から質問攻めにあったんだっけ。