「……ゆっ! あゆってば!」

「んぁ~?」


気持ち良く寝てた俺の椅子を後ろから激しく揺らされ、機嫌悪く目覚めた瞬間。


1番先に目に入ったのは英語の先生……様!?
しかも恐~い笑顔で立ってらっしゃるっ!


寝ぼけながらも必死に作った笑みを返すと、笑ってない目で笑って。

プリントを3枚がヒラヒラを宙を舞った。


「せ、先生。これは?」

「初めから最後まで。
ぐっすり眠れたかしら、林君?
良く寝た後は、頭の回転が早まるらしいわよ?」


最悪だぁぁぁ~!!!

『今日中に提出すること、いいわね!』
そんなキツーイ一言を残して去って行ってしまった。


苦手科目ナンバー1の英語のプリントが3枚も。

しかも今は6限目。
って事は部活行けねーじゃん!


俺から部活を取ったら何が残る?

何も残んねーからっ!


「はぁー……」


大きな溜息を吐いた俺の耳に入ってくるのは、真希の馬鹿にした笑い声。


「せっかく起こしてあげたのに」

「お前っ! 起こすなら、もっとしっかり起こせよなぁー」

「は!? 私に責任転換しないでくれる? 自己責任でしょ」