そうポツリと呟きながら横目で俺を見て俺通り過ぎる。


は?
脈なし?


「何だよ、それ。
つーか、お前さっきのも…」


先に歩く真希を追いかけた。

俺の話を遮り、先々歩く真希は勝手に話し続ける。


「愛未さんを好きになっても無駄だって言ってるの」

「は? 別に好きじゃねーしっ」


何言ってんの、コイツ。

俺が愛未を好き?

有り得ねーし。
てか、意味わかんねー。


「お前、今日変だぞ。
さっきも……俺の彼女、予定とか…」


うわ。
自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

つーか、何で俺が赤くなんだよ。

そんな俺の話も無視し続ける真希が、急に立ち止まり振り返った。


「歩ー、はい」


突然、真希の手から飛んで来た物体。

それを反射的に受け取る、俺。