「俺の事お兄さんだと思って?」


「お兄ちゃん…?」


「うん。おいで、菜乃」






そうやって手を広げた中野くん。





優しい声で。




名前を読んでくれた。








お兄ちゃん…







涙が出てきた。







中野くんはそれを救う。







「うぅ…お兄…ちゃん」


「うん、それでいいよ」


「お兄…ちゃんお兄ちゃん…」