「そんなの無理だよ」 「…そうよね。もし時間がいるようだったら仕事を先延ばししてもらうわ」 お母さんは静かに言う。 「お母さん、会ったことあるの?」 「ええ、いいお兄さんよ」 お母さんが言うには お兄ちゃんのお母さんとは話したことがあり、 おととい、そのお母さんから電話があったらしい。 『子供をよろしくお願いします』 と。 どうやら彼のお母さんは病気だったようで 自分の命が長くないと思ったお母さんは私の母に頼んだ。