お兄ちゃんは、変わらない。 変わらないけど、それでもいいって思ったのは私なのに。 「ぅぅ…おにぃ…ちゃん…っ」 呼んだって何もかわらないのにね。 「何?まだ何かある?」 私が首を横に振ると、お兄ちゃんは立ち上がって出ていった。 何でだろう…? 何で…? 何で…? 私は一人、誰もいない部屋で必死に声を押し殺して泣いていた。