学校から帰っても、
お兄ちゃんの靴がなかった。


いつも私より先に帰っているのに。





お兄ちゃんが帰ってきたのはいつくらいだろうか。



私がお風呂から上がった時だった。





玄関のドアが開く音が聞こえ、
すぐさま向かった。










「おかえり、お兄ちゃん」







そう言ってもお兄ちゃんは無視する。




いつものこと。









わかってるよ?

あの日の事は、きっといい夢だったんだ。

だから、忘れる。

期待してたって悲しむだけ。