さっきの、えーと
隼人くん? は、なんであたしの名前を知ってたんだろう?
昔 どこかで会った?
ううん、記憶にない。
入試の時に話した?
絶対会ってないと思うけど、ね。
じゃあ、なんで?
考えてるうちに教室についた。
入り口に座席表が貼ってあるから自分の席を確認すると。
「……嘘。」
長谷部麗奈 と書いてある座席の隣には
西川隼人 と名前があって。
教室の中に目をやると女子に囲まれてる席があって、あたしの席にも座ってるコがいる。
面倒。
今は元中とか知り合いだけだろうけど、廊下にも見にきてるこが何人もいるから、これからもっと増える。
とりあえず、カバンだけ置かせてもらおう。
スライド式の扉を開けると、中の何人かはあたしに目を向けた。
「おはよぅ、」
とりあえず声をかけると、
「あっ、麗奈ちゃんじゃん!」
そう言ったのは入試で話した、確か…
「暁くん。」
鴻上 暁(こうがみさとる)、って名前。

