「じゃあ、一人暮らし?」
でも、とくに何も感づかれてないみたい。
「うん。」
だから、変わらず笑顔で会話を続けられたと思う。
「じゃ、遊びいこ。」
「だめっ!」
自分でも思ってた以上に強く言ってしまってびっくりした。
「……ぁ、いや、散らかってるし…」
つけたしたけど、自分でも無理矢理だと思った。
「あー、もしかして彼氏いる?」
「いない、よ。」
“彼氏”。
その言葉、響きにズキンと走った痛み。
「そういうの、当分いーや…」
だれかを本気で愛するのも、
愛されたいと望むのも、
“愛してる”に騙されるのも。

